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ナンパで知り合った二人(3)| 秘密のあっ子ちゃん(160)

 これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

依頼人(20) に彼女(19) のことを報告してから半年。
『連絡はないのはうまくいった証拠』と思っていた 矢先、久しぶりに彼から電話が 入りました。
彼は、結局、彼女に連絡 を取らなかったと言いまし た。
あれこれ悩み考えている うちに月日がたち、彼自身も疲れてきて、『もうイイワ』という気になったと言います。それに、半年も経 てば、彼女も新しい人生を歩み始めているだろうとも思ったと言います。
もう連絡は取らないと彼自身が判断したことですか ら、それはそれでいいので すが、私はその話を聞い て、『彼の恋って、そんなに簡単に諦められるものだ ったのだろうか』と思いました。
当社に依頼に来られる中 年の方は、『若いころ、簡 単に踏ん切りがつくと思ってそのままにしておいたのが、今になって気にかかってしかたがない』と言われる方が多いのです。 その時は、それほど大切な人、重大な事だということに気づいて いなかったと言われます。
今、私は彼が十年後、二十年後に、そういう悔いが残らないことを祈るばかりです。

<終>

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