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板前修業を支えてくれた人(1) | 秘密のあっ子ちゃん(77)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

 三十年前、ちょうど二十才だった依頼人は北陸で板前の修行をしていました。 彼は九州の出身で、八人兄弟の下から三番目でした。父は炭鉱で働いていましたが、それも廃鉱となり、家は決して裕福ではありませんでした。 記事を読む

天涯孤独の私に祖母が?(2) | 秘密のあっ子ちゃん(68)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

 天涯孤独のみなし子だと思って育った彼女(45才)。役所からの届いた遺産相続の通知で、最近まで祖母が生きていたことを知った彼女は田舎に向かいましたが、疑問はますます膨らむばかりです。
 「祖母は私が生まれたことを知らなかった訳がないと思います。なのに何故、孫の私に四十年以上も連絡を取らずに、遠縁の男性を養子にしたんでしょうか?」
 彼女は後見人でもある勤務先の食料店の主人に相談しました。彼女は自分が生まれた頃に何があったかを知りたいと思ったのです。 記事を読む

結核の私を看病してくれた彼女(1) | 秘密のあっ子ちゃん(63)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

 「友人に聞いて」とやって来られたその日の依頼者は六十才過ぎの男性でした。
 「実は四十年も前のことになるんですが…」
 そう切り出して話し始めた彼が探したい人とは、学生時代の恋人でした。
 「知り合ったのは高校の時でした。彼女は一学年下でした。どういう理由だったかはもう忘れましたが、文化祭の時に私のクラスと彼女のクラスが合同で仮装行列に出場することになったんです。 記事を読む

家族同伴で…(1) | 秘密のあっ子ちゃん(61)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

 「今、心斎橋なんですが、今からお伺いしてもいいですか?」
 突然、そう電話をかけてきたその人は二十代後半らしい若い女性の声でした。
 「ご依頼の方ですか?」 スタッフが尋ねます。
 「ええ。お願いしたいことがあって…。前から思っていたんですが、今日、たまたま大阪へ出てきたもんですから、お伺いしたいと思って…」 記事を読む