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「調査依頼」は人生そのもの| 秘密のあっ子ちゃん(175)

 これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

昨年十月から始まったこの連載、その間に紹介させていただいたエピソードは五十一話となりました。
浮気調査で十二時間もパチンコ店での張り込みを続けたスタッフの苦労話、家出した一人娘の捜索から、新幹線で出会った少女を探してほしいという依頼。はたまた、満州開拓団で一緒だった彼女の消息を求めてきた男性の話から、まだ見ぬ腹違いの妹を探してほしいという依頼・・・。
そこには、さまざまな人間模様が描き出されています。一つ一つの依頼の中に、依頼人の喜び、哀しみ、そして思い入れがあふれているのです。それは、「調査依頼」ということを通して、それぞれの人の一つ一つの人生そのものでした。
人は何故“思い出の人” を探すのでしょうか? 私は「初恋の人探しま
す」という業務を通じて、こう感じています。
過去に出会った忘れられない人を探す。それは過去の思い出にこだわっているだけなのではなく、自分自身の生きざまや、今ある自分の原点を求めておられるのだということを。
もし皆さんの中にも、そうしたことを求めておられる方がいらっしゃるのなら、一度”過去の忘れもの”を取りにいかれてはいかがでしょうか。

<終>

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