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日本へ出稼ぎに来た彼女(1) | 秘密のあっ子ちゃん(71)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

その日たずね人の調査のご依頼に来られた男性は七十才でしたが、老人というよりまだまだ張りのある声をされていました。が、言葉を出すのが少しつらそうでした。 聞くと、彼は一年前に脳出血で倒れ、現在リハビリを続けているものの、まだ歩行が困難であるのと話しづらいということでした。しかし、依頼を聞くのには彼が気にする程聞き取りにくいということではありませんでした。 記事を読む

奥さんの家出の理由は・・・(2) | 秘密のあっ子ちゃん(70)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

「ご主人が暴力を振るう?」スタッフにとっても初耳でした。
「で、今は東京のどの辺に…“避難”されているんでしょうか?」
「いや、そこまでは勘弁して下さい。もう、仕事に戻らないといけませんので…」彼はそう言うと、スタスタと店の内部へ入っていきました。 記事を読む

奥さんの家出の理由は・・・(1) | 秘密のあっ子ちゃん(69)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

ある夜、私が残業のために事務所にいると、一本の電話が入ってきました。それは中年の男性の声で、かなり切羽詰まったものでした。
「そちらの探偵さんは家出なんかも探してくれはるんか?」 「はい、ご家族のご依頼の場合はお探しさせていただいておりますが」私が答えます。「娘さんか、息子さんが家出されたのですか?」
「いや、子供ではなくって、家内なんです」 記事を読む