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闘病を支えてくれた看護婦さん(1) | 秘密のあっ子ちゃん(59)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

秋も深まったある日、当社に一通の葉書が届きました。
「…私事ですが、十年程前にわたしが入院した折に非常にお世話になった看護婦さんを探して欲しいのです。会って心よりお礼を申し上げたいのです。其の方が今どうしているのか、永年心残りになっています。佐藤様をお訪ねします予定日と都合の良い大体の時間、地下鉄御堂筋線心斎橋駅よりの道順をお教え下さい。着手金もお知らせ下さい」 記事を読む

病弱だった彼女(2) | 秘密のあっ子ちゃん(58)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

高校時代、あたかも幼なじみであったかのように仲が良かった彼女。病弱だった彼女を一生懸命に世話したという依頼人(31才)はこう言いました。
「初恋?初恋と言えば初恋になるのかもしれないけど…、 記事を読む

病弱だった彼女(1) | 秘密のあっ子ちゃん(57)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

「ご無沙汰しています。そちらの皆さんはお元気ですか?僕のこと、覚えてくれてはりますか?」
年の暮も押し詰まったある日、そう電話してきたのは以前に一度当社に依頼されてきた男性でした。 彼は三十才そこそこの若き医師です。その時の依頼というのは、ある場所で偶然知り合った、いわゆる一目惚れの人の連絡場所を知りたいというものでした。 記事を読む

実の父を探して(2) | 秘密のあっ子ちゃん(56)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

「やっぱり、知っていたん」母は養父の遺影の前でぽつりとそう言い、彼女の実父の話を始めました。
 実父は名家の長男で、母と実父が恋に落ちた時、母は実父に妻がいることを知りませんでした。そのことを母が知ったのは、彼女を身ごもってからのことでした。
 実父としても初めから母を騙そうとしていた訳ではなかったようですが、事の成りゆき上、結局母を傷つけることになってしまいました。 記事を読む