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天涯孤独の私に祖母が?(2) | 秘密のあっ子ちゃん(68)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

天涯孤独のみなし子だと思って育った彼女(45才)。役所からの届いた遺産相続の通知で、最近まで祖母が生きていたことを知った彼女は田舎に向かいましたが、疑問はますます膨らむばかりです。
「祖母は私が生まれたことを知らなかった訳がないと思います。なのに何故、孫の私に四十年以上も連絡を取らずに、遠縁の男性を養子にしたんでしょうか?」
彼女は後見人でもある勤務先の食料店の主人に相談しました。彼女は自分が生まれた頃に何があったかを知りたいと思ったのです。 記事を読む

天涯孤独の私に祖母が?(1) | 秘密のあっ子ちゃん(67)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

 秋が始まろうとする頃やって来られた二人は、七十才前後の男性と四十代後半の女性でした。二人は父娘のように見えました。 女性は小柄で、いかにも「働き者」といった人で、少し垢抜けない印象を与えましたが、とても素直な心の持ち主のように思われました。 記事を読む

満員電車の「押し込み」係(2) | 秘密のあっ子ちゃん(66)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

 彼女の定期券を拾い、駅長室で「念のため、自宅に連絡しておいてあげたいのですが」と申し入れた彼は、許されて定期券購入控を見せてもらい、彼女の自宅へ電話を入れました。応対に出た彼女の母は「わざわざ有難うございます」と感謝してくれました。 記事を読む

満員電車の「押し込み」係(1) | 秘密のあっ子ちゃん(65)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

今回は二十三才の青年が、一目惚れした女性にコンタクトの代行をしてほしいと依頼してきた時のお話をしましょう。
彼は三週間程前に当社へやってきました。彼は先方の名前も住所もそれに電話番号まで知っていました。 「彼女のことを随分よくご存じなんですねぇ?」
当社のスタッフが聞きました。  記事を読む