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夫の生みの親は…(2 ) | 秘密のあっ子ちゃん(84)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

 スタッフは、依頼人のご主人の生みの母に息子さんの気持ちを伝えました。
 「息子さんはお気持ちの素直な優しい方です。お母さんがこの世に生きておられるなら、ただ一言、『生んでくれてありがとう』と言いたいとおっしゃっているんです」
 しかし、彼女は人違いであるときっぱり否定するのです。ところが、その後がいけません。 記事を読む

夫の生みの親は…(1 ) | 秘密のあっ子ちゃん(83)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

その女性は一年半前にも電話で調査の相談してきたことがありました。
最初に電話が鳴ったのはもう夜も随分更けていて、その日はスタッフが全員退社し、たまたま残業していたのは私一人でした。彼女の話を聞いたのは私ですから、よく覚えています。
彼女は二十七歳の主婦で、結婚したのは二年前のことでした。 記事を読む

シェフの思い出のお客さん(2 ) | 秘密のあっ子ちゃん(82)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

「現実からかけ離れた夢」と、依頼人は自分自身に苦笑しながら、そんな夢は忘れようとしました。しかし、ふとした時にその夢は蘇ってくるのでした。自分の心の中に現れてくる彼女の姿を打ち消そうとすればするほど、それは鮮やかな形となって蘇ってくるのでした。 記事を読む

シェフの思い出のお客さん(1) | 秘密のあっ子ちゃん(81)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

今回は、悲しくも敗れ去った中年男性の恋のお話をしましょう。
依頼人は三十九才の独身男性で、洋風グリルのオーナーシェフでした。 記事を読む