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結核の私を看病してくれた彼女(2) | 秘密のあっ子ちゃん(64)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

二人が結婚を約束していたと言っても、それは二人の間だけのことで、彼女の両親はそのことを全く知りませんでした。
娘の帰りが連日遅いのを不審に思った両親は彼女を問い詰めました。良家の子女である彼女がこれほど遅く帰宅することは今までになかったからです。両親は結核患者の看病をしていると知って驚愕し、彼女を一歩も家から出さないようになりました。 記事を読む

結核の私を看病してくれた彼女(1) | 秘密のあっ子ちゃん(63)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

「探偵事務所のことを友人に聞いて」とやって来られたその日の依頼者は六十才過ぎの男性でした。
「実は四十年も前のことになるんですが…」
そう切り出して話し始めた彼が探したい人とは、学生時代の恋人でした。
「知り合ったのは高校の時でした。彼女は一学年下でした。どういう理由だったかはもう忘れましたが、文化祭の時に私のクラスと彼女のクラスが合同で仮装行列に出場することになったんです。 記事を読む

家族同伴で…(2) | 秘密のあっ子ちゃん(62)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

「彼の連絡先はもちろんですが、今、どんな仕事をしているのか、独身なのか既婚なのか、付き合っている人がいるのか、そういうことも知りたいんです」
彼女は「結婚」ということも考えている様子でした。
彼のことについて彼女が分かっていたことは、彼が以前勤務していた職場と実家が池田市辺りであるということだけでした。 記事を読む

家族同伴で…(1) | 秘密のあっ子ちゃん(61)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

「今、心斎橋なんですが、今からお伺いしてもいいですか?」
突然、そう電話をかけてきたその人は二十代後半らしい若い女性の声でした。
「ご依頼の方ですか?」 スタッフが尋ねます。
「ええ。探偵の方にお願いしたいことがあって…。前から思っていたんですが、今日、たまたま大阪へ出てきたもんですから、お伺いしたいと思って…」 記事を読む

闘病を支えてくれた看護婦さん(2) | 秘密のあっ子ちゃん(60)

これは平成6年より大阪新聞紙上にて連載していた「秘密のあっ子ちゃん」に掲載されたエピソードより抜粋したものです。なお、登場人物は全て仮名で、ご本人の許可を得ております。

その人探しの調査過程で、彼女のことをよく知っている紹介所を二ケ所見つけることができましたが、いずれもが彼女は既に辞めていて、現在の連絡先は分からないということでした。
私達は引き続き、受話器を握ります。 記事を読む